(財) 神奈川県バレーボール協会では平成18年度から20年度の3年間にわたり、(財) 神奈川県体育協会 競技力向上事業のひとつである一貫指導体制推進モデル事業を実施させていただきました。
この事業は「素質・将来性のあるジュニア選手を発掘し育成・強化するために指導者や活動拠点が 変わってもその選手個人に応じた一貫指導を継続的に実施できる体制を確立し、神奈川県独自の 一貫指導プログラム(マニュアル)による年齢・能力に応じた指導を計画的かつ継続的に行ない 育成・強化する」ことを目的として実施し、その当該年度の中学3年生を高校2年生までの 3年間、男女それぞれ20名程度の強化指定選手をピックアップし、選手やその保護者には説明会等で この事業内容・趣旨をよく理解していただいて実施してまいりました。
各所属の学校長や顧問の先生方には、なかなかこのシステムを明確に理解していただくことは 大変でしたが、定期的・継続的に行われた一貫強化事業の練習会や強化合宿等において生徒を快く 参加させていただけたことに心から感謝申し上げます。
これまでの日本全体のバレーボールの指導体制を分析してみますとそれぞれのライフステージに おける大会の勝利だけを目的(勝利至上主義)として選手強化を行ってきた傾向が強く、若年層の スポーツ指導の過熱傾向(行き過ぎた指導等)が選手をバーンアウトさせたり、オーバーユースや 誤った指導法によってスポーツ障害を生み出し、伸びてゆく選手の芽を摘んでいた恐れもあるのでは ないかと思っています。
今後における神奈川県の「一貫指導」はこれまでの指導法を見直しながら、競技者の完成期に 個人が持つ潜在能力を十分発揮できるよう、それぞれのライフステージに応じて能力を適切に伸ばし、 与えられた場面で最大限の力が発揮できるような選手に育てていくべきであると考えています。
素質がある人材の発掘を意欲的に行ない、スタッフ(指導者)の充実や研鑽をはかり、将来に 渡る展望とビジョンの確認をしながら各競技団体とも連携をして「一貫指導体制」をしっかり 確立させていきたいと思っています。
また、当該年度の強化指定選手のレベルアップだけでなく、下級生世代の「発掘・育成・強化」も 平行して同時に行っていくことが更に高いレベルの一貫指導体制の構築が出来ると確信していますので、 是非、事業の継続と経済的な援助をお願い申し上げて報告と致します。
3年間の県体協一貫指導体制推進モデル事業が終了後もこの「一貫指導事業」を県バレーボール協会 主導での事業として継続していく方針が決まりました。
U-14という小学生、中学生の連携したバレーボール大会の充実をはかりながら小学生からの 「発掘・育成・強化」と一貫した指導体制を確立して「強い神奈川バレー」の再建に貢献できればと 思っています。