(9)システム

現在、ほとんどのチームが採用しているシステムが、5−1、ワンセッターシステムです。しかし、他にもセッターが2人いるシステムがあり、大きく分けると4−2システムや6−2システムなどがあります。

1)4−2システム

4−2システムは最も単純なツーセッターシステムであり、初心者が多いチームや、まだ発達段階にあるチームが、最初にオフェンスシステムを学習するのに、最適なシステムです。次の2つは4−2システムの代表的なものです。

2人いるセッターは対角にローテーションを組み、前衛にいる方がフロントセンターの位置からトスをあげる。後衛にいるセッターは、ディフェンダーになります。前衛セッターがトスを上げるのでセッターの動きが少なく、レシーバーもセッターを狙ってレシーブできるメリットがあります。ライトへはバックトスになるので初心者には難しいトスになります。ライトトスはライトに向いてセットアップするように指導すればよいと考えます。またアタッカーは、その場所で打つようにするか、レフトアタッカーとライトアタッカーを決めてそのポジションで打つようにします。(レギュラー4−2システム)

インターナショナル4−2(I4−2)は、レギュラー4−2と同じく前衛セッターがトスを上げるシステムです。違いは、前衛セッターがフロントライトに位置することです。したがってアタッカーがレフトとセンターになり、移動攻撃やバックアタックなどを使わなければバックトスを上げる必要がなくなります。クイックを導入するレベルになるとI4−2システムのほうが適しているといえるでしょう。

2)5−1システム

ほとんどのチームが採用している5−1システムは、セッターが前衛の時4−2、後衛の時6−2となる、二つのシステムの組み合わせです。5−1は非対称システムであり、3つローテーションをずらしても同じ形にはなりません。セッターが前衛か後衛かで、異なる動きがあり、ワンセッターシステムは、4−2システム6−2システムよりも高度と考えられます。

セッター対角の選手の役割が、アジア型(日本など)とヨーロッパ型ではちがいがあり、アジア型ではライトプレーヤーが多く、スパイクが打てて、トスを上げられて、ディグもうまいようなオールラウンドな選手を配置するケースが多くみられ、ヨーロッパ型では、6ローテーションのどこからでもスパイクが打てるスーパーエースを置き攻撃の要にすることが多いです。

3)6−2システム

ツーセッターシステムの中で最も攻撃的なシステムです。一般的にツーセッターシステムを指すケースが多いです。

アタッカーが6人に、セッターが2人となりますが、2人のセッターがアタッカーを兼任します。つまり、後衛のセッターがトスを上げ、前衛のセッターはアタックを打つので常に3枚のアタッカーを使うことができるので、ワンセッターでセッターが前衛の時に攻撃が少ない弱いローテーションを作らないですみます。セッターをライトに配置することか多く、後衛セッターがファーストコンタクトした場合は、前衛にいるセッターがトスを上げます。

また、他のシステムには、アドバンスト6−2システム(A6−2)、セカンダリーセッターシステム、5−2システムなどがあります。