(5)ディグ
1) スパイクされたボールをディグするのに、男子と女子では、そのボールのスピードはかなり差があるが、女子ではどんなスパイクであっても不可能なディグは少ないと思われます。
2) 個人ディグでは、強打に対するものとフェイントを含んだ軟打に対するものと2つに大別されます。強打に対するものでは、いかにコートの中央にディグされたボールを上げるかが大切で、セッターにコントロールをしようとすることは不可能であるのはいうまでもありません。
フェイントを含んだ軟打に対するディグとしては、打たれた(フェイントされた)ボールに構えた位置から足を動かして、ボールの落下点に入ることが必要であるが、その守備範囲を広げる意味でも、ローリングやフライングの技術も磨いていくことも重要となります。
3) これらの個人技術もさることながら、ディグでは、他の選手との関係もあり、チームとしての約束を守りながら、他人にディグさせ、自分はそのカバーに回ることや自分がディグし、他人にカバーさせるなど、カバーリングの技術も必要となってきます。
4) ディグの構えの姿勢は、足を肩幅の広さに開き、左右・真横に開くのではなく、どちらかの足を10〜15cm前に出す。踵をほんの少し上げ、体重は左右均等にし、膝を曲げて、リラックスした状態を保ちます。手は胸の前に両肘を曲げて、オーバーハンド、アンダーハンドレシーブに備えます。
5) ディグのステップワークは、構えの姿勢からスパイカーのタイミングに合わせて左右どちらかの足を一歩(20〜30cm)つま先から入れ、次に二歩目は両足を同時に床に滑らせるようにして、肩幅より広く構えます。
スパイカーとのタイミングの取り方は、スパイカーが手にボールが触れる前に一歩目、打たれる瞬間に二歩目を出し、構えます。
A
A
@↑
肩幅
【 練習T 】
@ 強打ディグの練習法としては、同じ強打を受けるにしても、正面・左右・上下によって、腕による面の作り方に違いがあるため、その1つ1つのディグの練習が必要になってくる。
A このディグはセッターへコントロールするよりもアタックライン中央付近に3m以上の高さを保ってあげることが重要です。
指導者はレフト、センター、ライトに構える選手に順々に強打をし、それぞれが5本レシーブをしたら、交代する。
選手
B 軟打に対するディグについては、(a)強打からブロックにあたって軟打になる場合で、ディグ基本ステップ(1・2のステップ)後、ブロックに当たり、そのボールの落下点に素早く移動してディグします。
移動
A
A
@↑
(a) 指導者の前にブロックの形をとった選手を置き、指導者はそのブロックに強打を打ち、軟打に変えて選手はそれをディグします。
ブロッカー
(B) 強打の構え、ソフトアタックやフェイントに対してディグする場合で、ディグの基本ステップ(1・2のステップ)から、相手の軟打にヨミを働かせて、移動することが大切であるが、できれば、基本ステップの1のステップ段階で軟打をヨムことができれば、さらに守備範囲が広がります。このディグはセッターポジションに正確に返球することを目的とします。
【 練習U 】
@ 強打と練習Tと同様だが、強打とみせかけて、軟打やフェイントのみで指導者はボールを出します。
6) カバーリングについて
相手からの攻撃を上げるだけでなく、その自軍の攻撃には結びつかないため自分がディグしない時には、素早くカバーに入ることが重要となってきます。またカバーに入りながら、2段トスを上げて、攻撃をするチャンスを作ることも実施してみましょう。
【 練習T 】
2メンのレシーブ 3メンのレシーブ
カバー カバー
カバー
【 練習U 】
実際にコートに6人入れ、実践形式の練習法です。反対のコート前衛の台上から強打や軟打を各箇所より打って、それをディグし、攻撃までつなげていきます。
【 練習V 】
3対3や4対4の攻防は、上記ディグを考慮に入れた総合的練習法です。それぞれの練習で、3対3では、フェイント禁止や相手からの攻撃はバックアタックのみ等、4対4では、セッターが1枚ブロックにつく等、条件を与えて実施してみるのもよいでしょう。
3対3の攻防
4対4の攻防
セッター
セッター