(2)パス

1) パスとは、「配る」「送る」「運ぶ」という語源があり、その「配る」「送る」「運ぶ」という動作は、重心を後ろ足過重から前足過重に移すことによって成り立っています。重心を移動させるには、足を前後に開くことがアンダーパス、オーバーパスともに重要です。

 

図     ↑ パスの方向

     足の位置

 

2) また、バレーボールのパスでは、飛来方向へ返球する事により、方向を変えてパスを送ることが多く、飛来方向へ返球するなら、パスのボールを捉える正面の定義は、オーバーハンドパスなら額の前。アンダーハンドパスならへその前となるが、方向をかえてパスをすることになれば、例えば、右90度へパスをするなら、オーバーハンドパスでは、右肩の上、アンダーハンドパスでは、右腰の前でボールを捉えなければなりません。この時、正面とは、右肩、右腰が正面ということです。

 


図       飛来方向

パスをする方向

 

【 練習T 】

これらの練習の方法として、3人で三角形をつくり、4人で四角形をつくり、

パス練習を上記のことを理解させた上で練習させることが効果につながります。

 

 

 

 

 

以上のことを考慮してパス練習をするならば、例えば、時計と反対回りでパスをする場合、飛来方向に対し正対し、左足はその方向に向いているが、パスをする時に、右足はパスをする方向に向け、右肩の上、右腰の前でボールを捉えることが正面でボールを処理することになります。

 

図      飛来方向

左足

 
    

右足

 
  パスをする方向

 

 

3) パスは重心を移動させることによって行うものであることは前述しましたが、構えの位置により後方へボールが飛来してきた場合は、この基本技術が困難な状況となります。その場合、パスをする軌跡に対して身体は逆にその反動を利用して行うことが必要になってきます。

 

 

図T

                パスの方向

重心移動

 

 


図U             パスの方向

 

    重心移動

 

 



【 練習U 】

 

@ エンドライン後方よりネットに向かって自分で上げたボールがネットを越すようにパスをする。

 

 

 

 

 

 


      ボールのパス方向に重心の移動をさせながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 


反動を利用して

 

 

A 目標物

(例:天井)を決めてパスをする。

 

                天井

 

 

 

 

 


重心の移動と反動を利用して

 

 

B 真後ろから飛来したボールを正面にパスをする。

 

飛来方向             パスの方向

 

                ボールを見ながら、片足を軸に

                身体を1/2回転させながらパスをする

 

 

 

 


C 膝を全屈伸させながら、反動を利用してパスをする。その後後ろに背転する。

 

                パスの方向

 

 

 

 

 

D ボールを捉える時、ボールの下へ両足で入るのではなく、片足でパスをする。

その時、曲げた膝は前方へ抱え込むようにして行い(A)後方に流れた膝は反動を利用するパスの方法となる(B)

 

 

 


                

                 (A)      (B)