5、発育段階に応じた指導について
(1)総括的指導プログラム (発育発達と練習・指導計画)
@ 発育・発達に応じたプログラムの作成
- ・成長期にある子供たちの指導で大切な事は「完成期においていかに大きく成長させるか」です。
- ・成長の仕方は個人差(早熟・晩熟)や性差もあるのでプログラム内容には系統性を持たせておく事が必要です。器官・機能はまちまちに発達し「子供は小さな大人ではない」ことを理解することです。
- ・最も大きな成長を期待するなら最も吸収しやすい時期にその課題を与える事が重要です。
A 発育発達段階に応じた課題
Pre−Golden Age 5〜8歳ごろ
- ・神経系の発達が著しい年代
- ・神経回路に様々な刺激を与え、その回路をさらに張り巡らせる事が重要
- ・多種多様な動きを経験させる
- ・色々な遊びの中からバレーボールが好きで好きでたまらないという状態で次のステージに送り出す
Golden Age 9〜12歳ごろ
- ・一生に一度だけ訪れる「即座の習得」を備えた特異な時期
- ・動作習得にとって最も有利なこの時期にあらゆる技術、クリエイティブなプレーの基本を習慣づける
※即座の習得とは、新しい運動を何度か見ただけで、すぐにその運動をおおざっぱながらこなしてしまう能力の事
Post−Golden Age 13〜15歳ごろ
- ・発育発達のスパート期、思春期
- ・骨格の急激な成長は支点、力点、作用点に狂いを生じさせるため「即座の習得」が現れにくい(伸び悩み)
- ・これまでに獲得した動きを維持しつつ、質を高めることが重要(より早くより強く)
- ・今まで身につけた技術をより実践的に
Independent Age 16歳以降
- ・自立のための準備期で飛躍の年代
- ・プレーについて個性を発揮
- ・筋力という武器を備えた新しいクライマックの段階