3、バレーボール競技について

(1)バレーボールの誕生

バレーボールは1895年、アメリカのマサチューセッツ州ホリーヨーク市にあるYMCA (キリスト教 青年会)の体育指導者であったウイリアム・G・モーガンによって考案されました。

当時、ベースボール、アメリカン・フットボールやバスケットボールは盛んに学生や青年会の間で行 われていましたが、競技そのものが過激(体の接触があり危険)で運動量が多すぎるために誰にでもで きるスポーツではありませんでした。そこで老若男女誰もが楽しめるスポーツ(レクレーションスポー ツ)を考案したいとモーガン氏は苦心していたところ、学生たちがバスケットボールの中の軽いチュー ブをボールにして遊んでいるのを目にしたのでした。これがヒントとなってテニスやバドミントンを参 考にネットを境にして素手でボールを打ち合うゲームをもとにバレーボールの原型が誕生したのでした。

当初は「ミノネット (Minonette)」と呼ばれていましたが、1896年スプリングフィールドのハルステ ッド博士がテニスのボールを床に着かないうちに打ち返す「ボレー (volley): ボールが地面に着く前に 蹴ったり打ったりすること」に似ていたことから「バレー・ボール (volley ball)」と名づけられるよう になりました。

誰にでも気軽に楽しめ、しかもラケットなど特別な道具が必要ないバレーボールはYMCAを中心とし て全米に広まり普及して行ったのでした。

そして様々なルールの変遷を繰り返しながらYMCAの海外進出より諸外国に普及され、アメリカ軍隊 が成した役割も大きく、軍隊でのスポーツとして発達していったバレーボールは、1914年第一次世界大 戦の勃発とともにヨーロッパに渡り発展して行き、これが共産圏諸国への橋渡しにもなりました。